毛穴の分類
気温が上がると、汗が増え、毛穴も広がるため、毛穴の相談が増えています。
そこで、今回は毛穴について解説します。
よくいただく質問は、「毛穴はなくなるのでしょうか?」というものですが、結論から言えば、毛穴は正常な組織であり病気ではないため、なくすことはできません。
ただ、適切な種類の治療やトリートメント、自宅でのケアによっては目立たなくすることはできます。ですので、諦めずに取り組んでいただければと思います。

毛穴の種類について説明いたします。分類はいろいろありますが、大まかには4つに分けられます。
まず、毛穴に実際に毛が生えているもの、角栓が詰まっているもの、たるみによるもの、そして場所で言えば頬に出てくるものです。また、毛が生えているか角栓が詰まっているのは鼻の周りやTゾーンに多いです。
そして、もう1つが「瘢痕型の毛穴」と呼ばれるものです。これは、ニキビ跡が傷になったり、毛穴パックや毛穴シートなどを繰り返し使うと、角栓が取れて気持ちいい反面、その穴が固定化して深い毛穴になってしまうことがあります。これを瘢痕型毛穴と呼びます。
毛穴に対する様々な処置
これらの分類がありますが、先程述べたように毛穴は消えることはありませんが、諦める必要はありません。当院では、毛穴治療においては、様々な方法を組み合わせることがあります。
例えば、レーザー治療を行うことがありますが、一つの治療で毛穴が改善されることは稀です。そのため、複数の処置を組み合わせて治療を行うこともあります。治療方法は、患者さんに合わせて選択しています。
まず、ケミカルピーリングで余分な角質を取り除き、その後吸引をして角栓を取り除きます。それでも取りきれない場合は、スタッフが細いピンセットを使って1つずつ丁寧に取り除きます。
他の施設では指で押し出すなどの方法もあるようですが、それでは周りの皮膚を傷つけてしまうため、あまりお勧めはできません。
その後、レーザー治療で肌を引き締め、ビタミン導入やイオン導入、そしてパックでしっかり保湿を行います。これにより、皮膚がふっくらして毛穴が目立ちにくくなります。
この治療は、大体3週間から4週間に1回行います。ただし、治療だけでなく、ホームケアも重要です。
治療後数日からトレチノイン酸軟膏を使用していただいています。
この軟膏には、皮膚のターンオーバーを促進する効果や、皮脂を抑える効果がありますが、最初の使用時には少し刺激が強いため、注意が必要です。
毛穴について、最初はなくならないと言われて残念に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では複数の治療法を組み合わせ、適切なホームケアを行うことで、毛穴を目立ちにくくすることを目指しています。

いちご鼻という表現が一般的ですが、具体的には瘢痕型毛穴ということになります。
当院では、いちご鼻の治療についても質問を受けることがありますが、毛穴の種類を考慮して治療方法を選択しています。
瘢痕型毛穴は、角栓が詰まっているだけでなく、毛穴自体が深く、逆円錐型になっているため、治療が難しい部類になります。実際、毛のある毛穴、角栓の詰まった毛穴、たるみ毛穴、そして瘢痕型毛穴の中で、瘢痕型毛穴は最も処置が難しいとされています。
しかし、これは諦める必要はありません。複数の治療法を組み合わせ、適切なホームケアを行うことによって、目立たなくすることが可能です。
ただし、ニキビの治療とは異なり、ケアの治療においては、医師が思っているゴールと患者さんが思っているゴールとが少し異なることがあります。
そのため、患者さんのご要望やご意見にもしっかりと耳を傾け、治療プランを決定していきます。
毛穴治療の回数には幅がある
ニキビは病気ですので、一般的に何回治療を行い、何ヶ月後に良くなるかということは、医師と患者さんで一致することが多いです。
しかし、毛穴の治療においては、医師から見て良くなったと思っても、患者さんがまだ改善を望まれる場合や、逆に患者さんがもっと治療を受けたいと思っても、医師から見たら十分な改善が見られる場合があり、ケアの処理に関してギャップが生じることがあります。
そのため、毛穴の治療回数には幅があります。

一般的に、毛穴の治療回数には個人差がありますが、2回目の治療においては、大体4ヶ月から6ヶ月の期間をかけて6回程度の治療を行うことが目安となります。
しかし、最終的なゴールは人それぞれであるため、どこまで治療を受けたいかは相談して決めることが大切です。
時間に余裕がある場合は、治療を継続することが望ましいでしょう。
毛穴治療は時間がかかるため、措置を行っても時間的に厳しいという場合は、効果が出ていない可能性がありますので、中止または延期を検討することもあります。その際は、ご相談いただいて、次の治療を決めていくことが大切です。
治療に諦めずに取り組んでいただければと思います。
毛穴には正常組織であるため、どこが終点になるのかは確かに難しいですが、様々な治療を組み合わせることで、目立たなくすることができます。
春には治療の相談や処置の希望が増えますので、気軽に相談していただければと思います。